楽しく読んだり観たり

映画「夜明けの街で」感想(ネタバレあり)

2023年8月24日

*本ページはプロモーションが含まれています

横浜

東野圭吾原作の小説「夜明けの街で」が岸谷五朗、深田恭子主演で2011年に映画化されました。
小説はずいぶん前に読んでいたのですが、
ABEMAプレミアムで観ることができたので、懐かしくなって観てみました。

映画

あらすじ

不倫するやつなんて馬鹿だと思っていた。
ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる・・・。
建設会社に勤める渡部は、派遣写真の仲西秋葉と不倫の恋に落ちた。
2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。

15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。
彼女は真犯人なのか?
渡部の心は揺れ動く。まもなく事件は時効を迎えようとしていた・・・。

単行本裏表紙より

キャスト

渡部和也:岸谷五朗
仲西秋葉:深田恭子
渡部有美子:木村多江
新谷:石黒賢

監督

若松節朗

公開

2011年10月8日

感想(ネタバレあり)

一番思ったのは、「男って、馬鹿だなあ・・・」ということでした。

自分でも「不倫する奴なんて馬鹿だ」「その台詞を自分に対して発しなければ」と言っているので、
主人公の渡部も自覚はあるのですが、
あっても、のめり込んで行ってしまいます。

これは渡部と秋葉の不倫の物語ですが、
そこに、「秋葉が殺人事件の容疑者であり、その事件はもうすぐ時効を迎える」というミステリー要素が入ります。

ただ、映画は「不倫の物語」の方に重心を置いているような感じで、
そのミステリー部分は、話の展開上どうしても避けて通れないので仕方なく入れてあるような印象を受けました。

なので、映画を観たときには「殺人容疑の部分ってこんなにさっぱりしていたっけか?」と思いましたし、
原作を読んでいない人には、その設定はいらなかったのでは?という感想を持つ人もいたようです。
そういう意味では、原作の方が「自分が愛している人が殺人犯なのかもしれない」という渡部の葛藤がもっと深く描写されていますし、
ミステリー部分のパートも多いので、バランスがいいと思います。

「どうしようもなく惹かれてしまい、馬鹿だと思っても不倫に堕ちていってしまう」恋愛物語としては、
とても丁寧に描かれていて、美しいと思います。

ある意味、男の人が理想とする不倫なんじゃないかな?という感じがしました。
深キョンは若くて可愛いし、物わかりもよくてミステリアスな部分もあって、
もろくて強くて、離れられなくなってしまうのもわかります。

ラブシーンも美しいです。
生々しさ、とかエロさはなく、すべてが美しい。

でも結局、渡部の不倫は妻にバレています。
バレてないと思っていたようですが、
バレています。
バレてないと思っているのが馬鹿だなあ、と一番思うところでしたw

渡部は、妻と小さい娘も大事にしています。
家族も大事にしていますし、
同じように秋葉のことも大事にしてしまいます。

そんな、他に大事なものがある雰囲気を、
妻が感じ取れないわけはないのですよ?と思います。

でも、チャランポランな男だったら、
こんな美しい不倫には堕ちなかったでしょうし、
秋葉も選ばなかったと思います。

美しい物語ですが、
登場人物は、みんな苦しいです。

15年間、疑われながらも時効が来るまで(現在は殺人事件の時効はありませんが、小説内ではまだ15年の時効がありました)真実を隠し、自分も周りも傷つけていた秋葉も、秋葉の家族も、
不倫をして家族を傷つけた渡部もその妻も、ここからまた苦しい日々が待っています。

できれば、それぞれが区切りをつけて、
自分の気持ちや周りの人たちとの関係を修復し、
時間がかかってもまた幸せになっていってほしいな・・・と思いました。

配信

ABEMAプレミアム

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*本ページの情報は2023年8月24日時点のものです。最新の配信状況はABEMAプレミアムサイト、U-NEXTサイトにてご確認ください。

原作

東野圭吾「夜明けの街で」(角川文庫)

感想のところにも書きましたが、こちらの方がミステリーと恋愛物語とのバランスがいいと思いますし、
映画の登場人物たちの心情を補完できていいと思います。

渡部の友人がなぜそんなにまともなアドバイスができるのか、
それも小説を読むとよくわかります(笑)。

この物語は、サザンオールスターズの「LOVE AFFAIR~秘密のデート」にインスパイアされた書いた小説だそうですね。
なので、物語の舞台もこの歌詞にあった描写があります。
もちろん、サザンの歌は「不倫の恋」部分だけで、
そこにミステリーを上手に絡めているのはさすが東野圭吾、です。

なので映画の方がこの歌の世界観には近いかもしれませんが、
この歌ほどポップな感じではないので、映画の中では使えなかったのかな~、と思いました

トコヨ

そして、サザンの桑田さんはこの歌を
「じゃらん」や「るるぶ」を見ながら歌詞を書いたそうですね。

桑田さん、すげえ(笑)。

じゃらんやるるぶがあって、この歌ができて、
この歌があったからこの小説ができて、
この小説があったからこの映画ができて・・・

なんか、すごいなあ・・・(笑)

トコヨ

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