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小説「ゲームの名は誘拐」
敏腕広告プランナー・佐久間は、クライアントの重役・葛城にプロジェクトを潰された。葛城邸に出向いた彼は、家出してきた葛城の娘と出会う。”ゲームの達人”を自称する葛城に、二人はプライドをかけた勝負を挑む。娘を人質にした狂言誘拐。携帯電話、インターネットを駆使し、身代金三億円の奪取を狙う。犯人側の視点のみで描く、鮮烈なノンストップ・ミステリー!
文庫本裏表紙より
小説「ゲームの名は誘拐」(ネタバレなし)
★ネタバレありの感想は、この記事の一番下にあります
2000年に執筆された小説なので、インターネットや携帯電話がまだ出始めたころの話なので、
きっと当時は最先端でツールを駆使したすごい画期的な犯罪だったんだろうな~、と思いました。
主人公はシゴデキ広告プランナーで、仕事にも自分にも自信があるタイプ。
これも、なんかバブルの頃のトレンディドラマでこんな人いたよな~、という感じの人です。
なので、現代に当てはめると少し古いかもしれませんが、
自分のプライドをかけて「ゲームとして」狂言誘拐を遂行していく、その手順はめちゃめちゃ面白かったですし、上手くいくのかどうなのか、ドキドキしながら読むことができました。
最後のどんでん返しには、主人公と一緒に「え?どういうこと?」と戸惑うところもあり、
東野圭吾さんらしい小説になっていました。
ただ、帯に「敵も味方も悪い奴ら」とあるように、スッキリ爽やか爽快楽しい~!!という読後感ではなく、なんだか人の業とか悪とかについて考えさせられるところもありました。
そういう機微も、東野圭吾さんらしいなあ、と思いました。
お話しは凄く面白いけど、読み終わってちょっとモヤモヤする、という感じかな?
(詳しくはネタバレあり感想で)
小説「ゲームの名は誘拐」
作者:東野圭吾
出版社:光文社文庫
価格:720円+税(2026.2.16現在)
小説「ゲームの名は誘拐」映画化
2003年11月に公開
タイトルは「g@me.」(ゲーム)
井坂聡監督の「映画はお客さんに感情移入して欲しい」という希望があり、
結末や登場人物の性格などを大幅に付け足して、原作小説とはちょっと違ったテイスト、ストーリーになっています。
これは、映画と小説は別物だから、と原作者の東野圭吾さんも快諾しています。
小説はラストもやもやする部分があったので、
こちらの映画バージョンをめっちゃ観てみたいです!
佐久間俊介(原作から漢字が変更):藤木直人
葛城樹理:仲間由紀恵
葛城勝俊:石橋凌
小説「ゲームの名は誘拐」ドラマ化
2024年6月9日~6月30日
WOWOWプライム・WOWOWオンデマンドの『連続ドラマW』にて放送・配信
佐久間駿介:亀梨和也
葛城樹理:見上愛
葛城勝俊:渡部篤郎
東野圭吾さんの作品は小説を読んでいても映像が浮かんでくるので、
亀梨さんの佐久間、私の小説のイメージより若い感じがしますが、計算高さと情に溺れる危うい感じがすごく似合っていそうです!
小説「ゲームの名は誘拐」感想(ネタバレあり)
ネタバレなし感想にも書きましたが、お話しの展開はめちゃめちゃ面白かったのですが、
登場人物がみんなけっこうゲスくて(笑)、それがなんかモヤモヤでした。
あと、SNSが発達した現代だと、成り立たない話だったかなあと、
その時代でしか書けないお話ってあるんだなあ・・・と思いました。
読み進めている間に生まれるほんのちょっとした疑問や引っかかりが、
しっかり伏線回収されていました。
やっぱり、なんかアヤシイ行動だと思ったんだよ・・・という部分。
取引先の副部長の娘を狂言誘拐して、
3億円の身代金をまんまと奪ったわけですが、
そこに行くまでの展開は本当に面白かったです。
そして、狂言誘拐が終わったのに、
娘が家に帰っていない、
それどころか、公表された行方不明の娘は、今までずっと一緒にいた女とは別人。
そこはマジで私も「え?どういうこと??」と思いました。
こういうどんでん返しが、東野圭吾さんの面白いところです!
結局、今まで一緒にいたのは姉ではなく、妹の方だった、ということですが、
ってことはその子、高校生だったってことだよね??
いいところのお嬢様が、タバコ吸うわ、
男性経験もそこそこありそうだわ、そんななんですか?それでいいんですか?
しかも、動機も全部、結局身勝手じゃありませんか??と思いました。
そうなんですよ。
この登場人物、みんな身勝手なんです。
小説では結局この先この人たちがどうしていくのかは描かれていないのですが、
たぶん、大きな秘密を隠したまま、
事件は未解決事件となり、みんな素知らぬ顔で上手く生きていくんだろうな・・・という感じがしてなんかモヤモヤしたんですよね。
人として、それでいいのか??と。
それにしても佐久間は、誘拐事件の時は慎重すぎるほど慎重で、
いろんなことを確認していくのに、
樹理の行動は確認もせず、全部おまかせで信じ切っているのが、ツメが甘いっていうか、情に溺れちゃったのかね、というか。
みんな、上手く生きては行くと思うけど、
幸せなのかなあ・・・と、そんなことも考えてしまいました。
もうちょっと救いがありそうな映画版を観てみたいな~、と思いました!