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小説「切り裂きジャックの告白」感想

2023年5月10日

*本ページはプロモーションが含まれています

私は長めのお休みの時にはいつも本を買い込んで1日読書デーを作るのですが、
今回、ゴールデンウィークに読んだ本の1冊がこちらになります。

切り裂きジャックの告白

作者:中山七里
出版社:角川文庫
価格:640円+税(2023.5.10現在)

あらすじ

東京都内の公園で臓器をすべてくり抜かれた女性の死体が発見された。
やがてテレビ局に”ジャック”と名乗る犯人から声明文が送りつけられる。
その直後、今度は川越で会社帰りのOLが同じ手口で殺害された。
被害者2人に接点は見当たらない。
怨恨か、無差別殺人か。
捜査班一課のエース犬養刑事が捜査を進めると、被害者の共通点としてある人物の名前が浮上した。
ジャックと警察の息もつかせぬ熾烈な攻防がはじまる!

単行本裏表紙より

19世紀にイギリスで実際に起きた切り裂きジャック事件をモチーフにしていますが、
もう少し詳しく書くと、臓器移植の問題がからんできて、現代ならではのミステリーになっています。

ドナー、レシピエント、家族、医者、移植コーディネーター、
そして犯人”ジャック”と警察、マスコミ。
それぞれの立場の人のそれぞれの思いが、ストーリーを動かしていきます。

そしてその問題は、主人公の犬養刑事の胸も締め付けていきます。
なぜなら彼にも、病気の娘がいるから・・・。

感想

実は、全面的にちょーおすすめ!という感じではないのですが、
それでも物語が面白かったのでご紹介させていただきました。

主人公が相棒となる若い刑事(他のシリーズにも登場してくるキャラクターみたいですね)と一緒に事件の謎を解いていって、
話がドンドン展開していくのが面白かったです。

どうして?
誰が?
どうやって??
それでどうなっちゃうの???

そんな風に思いながら読んでいきました。

離婚した妻と、特に病気の娘との関係に悩む主人公も、とても人間臭さがあります。
相棒となる若い刑事も、スマートで魅力的なキャラクターです。
でも、表面的ではなく、過去のつらい出来事などがその人物の厚みを作っています。

臓器移植についての話が核になっているのですが、
本当に、立場によって思うこと、受け取る感情が違うのだろうな、
どっちが正しいとか、どうするのが正解、というのがないような気がして、
私自身もすごく考えさせられました。

私は、臓器移植には反対ではないけど、
でも、自分や家族が提供するのはやっぱり抵抗があるな・・・と思ってしまいました。

なので、どこかに感情を乗せながら読んだりできるのではないかと思います。

では、なぜ絶対おすすめ!とは言えないのかというと、

まず、死体の臓器をすべてくり抜く、ということで、
その描写がそこそこリアルで、
グロに弱い私はヘタレてしまったんですねw

まあ、その描写がずっと続くわけじゃないので、
その数ページを乗り切れば大丈夫なのですが。

あと、主人公サイドの人物に比べて、
それ以外(今回の物語しか出て来ないであろう人たち)の人物描写がちょっと厚みというか多層感というかが少ないなあ、と感じてしまいました。

プロットとかトリックとかがまずあって、
それに合わせて配置されて演技しているような感じ?
キャラクターがあって、そこから行動が生まれた、という感じではない感じ。わかりますww??

まあ、その辺の感覚はお好みだと思いますし、
ストーリーは本当に面白かったのでこうやっておすすめさせていただいている次第です。

刑事犬養隼人シリーズ

こちらはシリーズになっていて、
現在6冊出ているようですね。

1~5が角川文庫、6はKADOKAWA単行本

  1. 切り裂きジャックの告白
  2. 七色の毒
  3. ハーメルンの誘拐魔
  4. ドクター・デスの遺産
  5. カインの傲慢
  6. ラスプーチンの庭

中山七里さんは、デビュー作から1~2作読んだきりだったのですが、
面白かったので、もう少しこのシリーズは読み進めてみたいと思います!

トコヨ

ドラマ化

2015年に、朝日放送テレビの土曜ワイド劇場でドラマ化されていました。

主演の犬養刑事は沢村一樹さん、バディの若手刑事には瀬戸康史さん。
見てみたかった~~~!!

トコヨ

数ページのリアルな内蔵描写が大丈夫でw、
ミステリー、謎解きが好きな方にはおすすめです♪

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